電気自動車まとめ

トヨタの電気自動車

新型プリウスPHV(2016)
新型プリウスPHV(2016)
電気自動車といえばトヨタが出しているだろう、、皆さんそう思われる方も多いのではないでしょうか。実は、電気自動車には二種類あり、厳密な意味でガソリンを全く使わず、電気だけで走行する純電気自動車(BEVと呼んだりします)と、電気だけで通勤程度の距離は走行できるが、エンジンも搭載していてガソリンでも走行できるプラグインハイブリッド車(PHV、PHEVと呼びます)があります。トヨタ自動車本体からは、プリウスPHVがPHEVとして販売されているのみで、BEVはラインアップにありません。
プリウスPHVはハイブリッド車の「プリウス」と名前こそ似ていますが、中身は別物です。通常のプリウスは家を出発して最初の1-2km走行するとエンジンがかかりますが、プリウスPHVは40km(EPA基準)までガソリンを使わず走行できます。そのため、通勤が10km未満の方などは、1か月間、通勤では1リットルのガソリンも使わずに走行することができます。
※本記事では、PHVとPHEVは同一のものとして扱い、PHEVという呼び名で統一します。
2015年12月に新型プリウスがリリースされたことに伴って、2017年2月に新型プリウスPHVが発売されました。PHEVとして、EV走行距離=ガソリンを使わずに走れる距離を40kmとし、より短時間で充電できる急速充電に対応することが発表されました。バッテリー容量は旧型比倍増の8.8kWhです。プリウスPHVは、毎日通勤で車を使われる方、自宅または会社などの常置場所で充電ができる方で、遠出もされるような方に向いている万能な車です。自宅充電ができない場合は、普通のプリウスに比べてメリットはほとんどなくなるでしょう。
なお、新型プリウスPHVにはソーラー充電システムが搭載可能。これ一見面白いのですが、パネル出力は180Wとのこと。簡易的に常に屋外駐車・常時屋根に日が当たる環境と仮定して、1週間でどのくらい充電できるか計算してみましょう。180W x 12%(設備稼働率)x 89%(車の屋根は南を向いていないので)x 24 x 7 = 3.23kWh。200V 15Aの通常のEV用充電器は1時間で3kWhを充電できますから、家庭用EVコンセントで65分程度充電するのと同じくらい充電できます。そして、8.8kWhバッテリーでEPA 40km走行できるわけですから、実際に使える電池容量を90%と仮定すると、EPA予想電費は40 / (8.8 x 90%) = 5.1km/kWh。太陽光充電1週間分の3.23kWhがあれば、週末には16.3km、太陽光エネルギーだけで走ることができるわけです。1日の太陽光による充電では、約2.3km走行できます。コストパフォーマンス的に元が取れることはあり得ませんが、技術が好きな方・環境を大切にしたい方には最適な装備だと思います。なお新型プリウスPHVは4人乗りなので5人乗りが必要な方はご注意ください。
※2017/8/21更新:ニューヨークモーターショーの時点ではEPA航続距離35.2kmとされていましたが、その後40kmに上方修正されているようですので、それを反映しました。
トヨタ車体 コムス
トヨタ車体 コムス
トヨタグループのトヨタ車体からは、超小型EVコムスが出ています。超小型EVは厳密には普通車でも軽自動車でもなく、ミニカーの分類となり、原付の仲間になります。高速道路/自動車専用道路不可、ヘルメット不要、エアコンなし。衝突安全性にも大きな課題があり、主に配達用・高齢者用などとして使用されています。最近、日本航空がコムスを整備士の移動用に導入したことが話題になりましたが、実はピーチ・アビエーションのほうがコムスを先に導入していたりします。コムスはバッテリーに鉛蓄電池を採用しているなど、電気自動車としてはかなり枯れた技術を採用しています。

日産の電気自動車

日本の電気自動車業界をリードする日産自動車からはリーフが出ています。2010年に発売され、途中2012年に1回目のマイナーチェンジ、そして2015年12月にバッテリーの容量を24kWh→30kWhにアップするマイナーチェンジ。2017年10月には容量が30kWh→40kWhにさらにアップ。フルモデルチェンジが行われました。全世界で20万台以上を販売し、世界で一番売れている電気自動車になります。
リーフはリリースから7年目を迎えましたが、日産も日本国内1760か所のディーラーに急速充電器を設置し、月額2000円でこれらを無制限に利用可能な「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム(ZESP2)」を提供するなど、電気自動車の普及に大きな役割を果たしていると言えるでしょう。
新型日産リーフ
新型日産リーフ
リーフはJC08という基準で400kmの航続距離を持つとされていますが、JC08基準はあてになりません。この記事の一番下に比較表を入れていますが、私の経験から、米国のEPA(環境保護庁)が認定している数字は比較的現実に即しており、高速道路と一般道路の組み合わせで夏なら達成可能な数字だと思われますので、本記事ではEPA基準を使用します。リーフ2017年モデル(40kWh)のEPA航続距離は241kmです。
PHEVとは異なり純粋な電気自動車(BEV)であるリーフは、自宅充電が必須になります。自宅で充電でき、往復400km以上の長距離移動をあまりしない方に向いています。往復300km程度までなら、行った先で1回充電するだけで帰宅できるからです。またリーフはプリウス同様3ナンバーになりますのでコンパクトカーではありません。サイズには注意が必要です。
貨物車としてe-NV200というBEVバンも出ています。汎用的な配送や工事などにも最適で、長距離移動が必要ない貨物用途には最適な車両と言えると思います。

ホンダの電気自動車

ホンダは電気自動車に力を入れているメーカーとは言えません。国内ではフィット EVとアコード プラグイン ハイブリッド(PHEV)の二車種を、リース専用としてリリースしていましたが、2016年3月時点で販売が終了し、現在は購入することはできません。

三菱の電気自動車

三菱 i-MiEV
三菱 i-MiEV
三菱自動車は、日産と並んで電気自動車(三菱では電動車両というくくりになっています)に力を入れている会社です。軽自動車のアイミーブ、軽バンのミニキャブ・ミーブ バン、SUVのアウトランダーPHEVの四車種。ミーブ(i-MiEV)シリーズは全てBEVで、アウトランダーはPHEVとなります。
ミーブシリーズのバッテリーには10.5kWhと16kWhの二種類あり、16kWhバージョンは通常のリチウムイオン電池ですが、10.5kWhバージョンであるi-MiEV Mグレードは同じリチウムイオン電池の仲間でも充放電性能の高い東芝のSCiBを採用しており、15分で80%まで充電することができます。i-MiEV Mは米国で販売されていませんのでEPA航続距離は未公表ですが、おおよそ66km程度であると想定できますので、1日の走行距離が50km未満の近場での利用には非常に経済的です。実際にミニキャブ・ミーブ バンは近隣での配送業務に使われています。
三菱 アウトランダーPHEV
三菱 アウトランダーPHEV
アウトランダーPHEVはその名の通りPHEVであるため、自宅充電ができないマンション等でも導入することができ、販売を伸ばしています。SUVは日本だけでなく米国や中国でもスタイリッシュであると考えられており、EV・PHEVのSUVがアウトランダーPHEVとテスラ モデルXの2車種しかないことから競合が少なく、欧米でも人気です。EV航続距離もEPA値は未公表ですが32-35km程度であると予測されており、日本では平均的な往復通勤距離を余裕でカバーできそうです。
BEV・PHEVの中でも、ここ数年で最もバランスの取れた車との評判も高いので、PHEVを検討される方にはまずアウトランダーPHEVをチェックされることをお勧めします。2017年2月にマイナーチェンジが行われ、80%までの急速充電時間が30分から25分に短縮されました。

BMWの電気自動車

BMWからは非常に多くのBEV・PHEVが出ています。
BMW i3
BMW i3
まずBEVでは、BMW i3があります。60Ahバージョン(21.8kWh)と94Ahバージョン(33kWh)の二種類がありましたが、後者が2016年10月から発売開始され、現在は94Ahバージョンのみになっています。94Ahバージョンは30kWhリーフの1割増しのバッテリーを搭載しているため、EPA航続距離は182kmとリーフより少し長く、カーボンファイバーのボディ(普通、ボディは鉄かアルミでできてます)とも相まって、電費が良いのがポイントです。LifeDriveという、BMW iシリーズ専用のボディ構造により、バッテリーやモーターなどの重量物をフロア下に格納できるので、重心が低く車両が安定し、またセンターコンソールなしにできるため運転席と助手席の間にも大きな空間が生まれます。
BMW i3以外の車は全てPHEVとなります。BMW i3に航続距離を伸ばすための緊急用のエンジン(=レンジ・エクステンダー)をオプションで搭載することができます。この場合はエンジンだけでなく、燃料タンクやラジエーター、セルモーター、オルタネーターその他の補器類もすべて搭載されますので、重量は1260kgから1390kgへと130kg重くなります。
BMW i3の燃料タンクの容量は9lと少な目に設定されていますが、これは米国CARBの規制をクリアするため。何100kmもの距離を頻繁に移動するための車ではありません。基本的には普段は電気自動車として使用するように設計されているのです。そのため、この車は長距離中心に乗らない方、そして先進のカーボンファイバーボディを始め、BMWのテクノロジーが好きな方に向いています。
BMW i8
BMW i8
BMW i8は2000万円以上するスポーツカーPHEV。これは40lガソリンタンクを備えており、長距離ドライブなどにも対応しています。i3と同様、カーボンファイバーのボディを与えられています。
2015年12月に日本市場に導入されたのは、BMW X5 xDrive 40e。BMWのSUVであり、XがSUV、5がクラス、xDriveはAWD=四輪駆動を意味します。40の後ろについている小さな「e」がPHEVを表しているサイン。iシリーズと比べて、それほど電動であることを大きくアピールはしていません。この車両やBMW i8は、BMW i3と異なり、バッテリー容量が小さく、急速充電には対応していません。基本的には、自宅に普通充電器を設置し、夜のうちにバッテリーに充電しておいて、通勤・近隣での買い物等はバッテリーのみで走行し、長距離の移動時は100%ガソリンを使うという考え方です。このBMW X5 xDrive 40eは、PHEVの最高級SUVが欲しいという方に向いています。ただし急速充電には対応していませんので、その点は注意してください。出先では、主にガソリンを使うことになります。
BMW X5 xDrive 40e
BMW X5 xDrive 40e
そういう意味では急速充電できるPHEVは今のところアウトランダーPHEVと新型プリウスPHVだけ。急速充電がPHEVに必要かどうかも含めて、これから評価されることになるでしょう。私見では、経路充電が不要なPHEVでは、必ずしも急速充電はなくても困らない、と考えていますが、一度モーターの走りに慣れてしまうと、充電してでもモーターで走りたくなる方も多く、悩みどころかも知れません。
BMW 225xe
BMW 225xe
2016年1月、2シリーズアクティブツアラーのPHEV版であり、5名乗車のミニバンという位置づけになる、BMW 225xeが日本でも発売されました。詳細なスペックはこちらこちらをご覧いただくとして、バッテリーは7.7kWhを搭載、EV走行距離はNEDC基準で41kmとされていますが、EPA基準/実航続距離はおそらく22km程度と想定されます。米国導入予定がないのでEPA航続距離の正式なデータはないのですね。プレミアムな四輪駆動のミニバンが欲しい、という方には最適です。なお型番のxはxDrive、すなわち前輪をエンジンで駆動し、後輪をモーターで駆動するというタイプの四輪駆動となります。
価格的にはちょうどアウトランダーPHEVと競合になりますので、悩みどころですね。
BMW 330e
BMW 330e
同じく2016年1月には、3シリーズセダン、BMW 330eも発売になりました。バッテリーは7.6kWh、EV航続距離は22.4km(EPA基準)です。プレミアムセダン、高級ファミリーカーのど真ん中ゾーンですね!さすがにカッコいいです。ちなみにX5 xDrive 40e、225xe、330e、530e、740eはどれも車両のフロント左に充電ポートがあります。リーフはフロント中央、アウトランダーPHEVとBMW i3はリア右、アイミーブとテスラモデルS/Xはリア左、ミニキャブミーブは自社内で統一を図ることもなくボディ中央左。実は左ハンドル前進駐車の場合は左前が充電ポートだと挿しやすいことは挿しやすいのですね。車を降りてすぐ充電コネクタを接続できるわけです。BMW 330eはプレミアムなファミリーセダンが欲しい方、そして通勤や近場の買い物等ではガソリンを使用したくない方に向いています。
BMW 740e
BMW 740e
次に発売されたのはフラッグシップ(最上位車種)、7シリーズから740e iPerformance PHEVが2016年の10月に発売されました。この車の特徴はモーターとエンジンが同軸に入っていて、モーターも変速機を介するという変わった設計であることです。詳しくは上記詳細記事をご確認ください。バッテリーは9.2kWh、EV航続距離は22.4km(EPA基準)です。330eと比較すると、バッテリー容量は740eのほうが多くなっていますが、EV航続距離は同じになっています。BMWとしては、22.4km程度のEV航続距離があれば充分と考えているのかも知れません。三菱自動車やトヨタは(米国EPA基準で)35-40km程度としていますので、PHEVとしては少し控えめとなっています。BMW 740eは最高級のエグゼクティブセダンが必要で、かつ環境に配慮したイメージが気に入る方向けです。

BMW 530e
そして最も最近の2017年7月には5シリーズに530eが追加されました。これも740eと同様、ZF製のトランスミッションの前にモーターが入っている設計です。どうもこれはBMWの今後のPHEVの標準デザインになるのかも知れません。確かに高速道路などでの追い越し加速が、パワー一定のモーターで1段しかないギアだとどうしてもトルクが少なくなり、パンチを感じられないというのがあるのかも?ただモーターをトランスミッションの前に入れるとトランスミッションの受ける負荷は大変なものになるので、ソフトウェアで制御することが必要だと思います。バッテリーは9.2kWh、EV航続距離は25.6kmと通勤専用な感じです。BMW 530eは330eと740eのちょうど中間、エグゼクティブカーとしてビジネスを強く意識していますので、ビジネスオーナーの方や企業役員の方などで、通勤や普段の近場の移動などにガソリンを使いたくない、環境に配慮したい方に向いています。

BMW MINIの電気自動車

MINI Cooper S E Crossover ALL4
MINI Cooper S E Crossover ALL4
2017/7/24追記:2001年にBMW傘下になってからはEUの安全基準に準拠したクルマ作りを進めてきたMINI。ここではBMW MINIと呼ぶことにします。そのMINIからMINI Cooper S E Crossover ALL4(公式サイト)が登場。長ーい名前ですが、要するにCUVバージョンのMINIでPHEV搭載なわけです。7.6kWhバッテリーとPHEVとしては少な目のバッテリーでEPA航続距離19kmと、プラグインハイブリッド機能自体は控えめではありますが、通勤や買い物にはこのEV航続距離で充分。普段の生活ではほとんどエンジンをかけずに走行できると思います。以前販売されていた旧モデルのプリウスPHVのEV航続距離は9.6km。当時はこれでほぼゼロエミッション化できるとトヨタさんはうたっていたわけで、19kmといえばその二倍に当たることになります。
クロスオーバーは全5モデル展開のうち、なんとPHEVモデルだけがガソリンエンジンで、それ以外はすべてクリーンディーゼルエンジンとの組み合わせ。普段EV走行に慣れ親しんだオーナーが、エンジンがかかっても静かなドライビングを楽しめるように、との配慮なのかも知れません。実際ディーゼルに比べると低速トルクが少なくなりがちなガソリンエンジンと、発進時からフルにトルクが出るモーターの組み合わせは最適。他のモデルとは全く異なる乗り味になると考えられます。
一つ注意していただきたいのは、MINIは特に小型車ではないということ。4315 x 1820 x 1595mm、1770kgとそこそこ大きい。日産リーフが4445 x 1770 x 1550、1450kg、トヨタプリウスPHVが4645 x 1760 x 1470、1510kgであることを考えると、全長こそ短めではあるものの、幅が結構あります。想像ではありますが、幅が広いほうがカッコいいこと、車内が広くなること、クラッシュテストの一種である横転テストで良い成績を出すため(日本のJNCAPの自動車アセスメントには横転テストはありません)、そして側面衝突性能の向上のためなどいろいろな理由で広くなっているのでしょうね。
ただ今後、電気自動車の電池は底面搭載が普通になっていきます。そうなると、前後に長く搭載すると車が長くなってしまいますし、上下に厚く搭載するとフロアが上がってしまいますので乗り降りが大変に、結果として横幅を広く搭載するしかなくなってしまいます。トレンドとしては、輸入車を中心に横幅はだんだん広くなる方向になっていくと思われます。

テスラの電気自動車

テスラ モデルS
テスラ モデルS
現在、テスラからは大型セダンのテスラ モデルSと大型SUVのテスラ モデルXの二車種のみがラインアップされています。モデルXは2017年1月より日本でも納車開始されました。
テスラ自身は、BEVの専門の会社であり、パナソニックと協業して電気自動車用のバッテリーを開発しています。モデルSは世界で初めての長距離BEVであり、EPA航続距離500kmを一充電で走行できます。またモデルSは世界で最も安全なセダンでもあり、米国NHTSAや欧州Euro NCAPの両方で最高の評価を獲得しています。例えば米国では高速道路の走行が多いため、自動車が横転し、ルーフがつぶれるシナリオでのクラッシュテストが行われるのですが、このテスト用のマシンの4Gという力に耐え、ルーフがつぶれなかったばかりか、このテストマシンが壊れてしまったとの報告がされています。この4Gという力は、モデルSが四台上に積み重なったくらいの力だそうですね。
EPA 500kmをもってしても、200km先の場所への往復には注意が必要ですし、場合によっては経路充電が必要です。そのため、モデルSはメルセデスSクラス・BMW 7シリーズ・アウディ7/8シリーズを検討している人で、かつ、長距離のドライブ時は充電計画を立てられる人に向いていると言えます。
初代2012年モデルでも最新型のポルシェ911カレラに匹敵するほどの発進加速を誇るモデルS。最新のP100Dは市販の量産車のなかではほぼ最速で、0-100km/hに2.7秒で達してしまいます。この時の加速度は1G超え、すなわち、ビルの屋上から落下するより速く加速するわけです。最近の日産のCMでも話題になりましたが、電動車両は電池さえ増やせばいくらでも高出力が取り出せます。エンジンの排気量に(いろんな意味で)限界のあるエンジン車との性能比較は、もう意味のないことかも知れません。
モデルXはちょっと変わった車です。まず後席ドアが普通のドアではなく、ガルウィングに似た、ファルコンウィングドアを採用。腕の関節のように、肩と肘に当たる部分が折れ曲がって上に上昇します。30cmの隙間があればギリギリ開閉可能とのことです。またシート構成が5,6,7人乗りにカスタマイズできるのも特徴。5シートは2-3構成、7シートは2-3-2構成。5シートの3人掛けシート、7シートの2列目シートと3列目シートは可倒式で倒せます。6シートは2-2-2構成なのですが、2列目は特殊な「モノポストシート」となっており、シートの脚が1本しかなく、確かに3列目シートに座った人は足が2列目シートの下に入るので広く感じるのですが、この2列目は可倒式ではなく、リクライニング機能も備えていません。ポピュラーなのは6シート構成だそうです。

フォルクスワーゲン(VW)の電気自動車

e-ゴルフ
e-ゴルフ
2017年10月19日、BEVであるe-ゴルフが発売されました。本国では2世代目のe-ゴルフとなるこの車両はEPA航続距離201kmと、旧型リーフ30kWhの171kmと新型リーフ40kWhの241kmのちょうど中間くらいの航続距離を持ちます。バッテリーが35.8kWhと中間サイズなので当然とも言えますね。このくらいのバッテリーサイズがあれば片道100kmくらいの場所への往復は簡単。冬でも宿で充電するか、帰りに急速充電1回で余裕です。チャデモ急速充電に対応しており、80%まで35分間で充電が可能です。Traffic Assistという渋滞時追従支援システムが搭載されており、0-60km/hの範囲で運転支援(ハンドル、アクセル、ブレーキを自動で操作)機能が搭載されています。テスラがリードしていたこのあたりの機能も、だんだん多くのメーカーで搭載されるようになってきました。
このモデル、バッテリーが大分進化してきているようで、トランクなどはガソリンモデルと同一容量が確保されています。トランクを上げ底にするのは多くのPHEVモデルで行われていますが、フォルクスワーゲンは容量を抑えてトランクを確保したということになるかと思います。上げ底トランクは荷物の載せ降ろしも大変ですしね。
e-ゴルフはオールマイティなBEVが欲しい方で、プレミアムカーが良い方に向いています。BMW i3より後発なだけに、より普通の車っぽく、実用性も高いです。
フォルクスワーゲン ゴルフGTE
フォルクスワーゲン ゴルフGTE
フォルクスワーゲンはPHEVモデルも出しています。ゴルフGTE PHEVとパサートGTE/パサートGTEヴァリアント PHEV。GTEモードという、モーターとエンジンを協調させてハイパワーを生み出す機能が一つの特徴で、スポーツ性をアピールしたハッチバックになります。
まずゴルフGTE。EPA航続距離は32km(推測)、バッテリー容量は8.7kWhと、PHEVの中では長めの距離をモーターのみで走行できるため、電気自動車に近い使い方をしたい方にも向いていると思います。国産のアウトランダーPHEVと比べてバッテリーが小さいのにEPA航続距離がほぼ同じ理由は空力(=空気抵抗)。前面の大きなSUVはどうしても空力が悪化してしまうので、ある程度仕方ないかも知れませんね。
# 空力の小さい車両をイメージするには、、新幹線をイメージしてみてください。
ある意味オールマイティなゴルフGTEですが、急速充電のサポートはなし。通勤に使わないのであれば、ガソリン代の節約はあまり大きくならない点に注意してください。したがって、この車は通勤など毎日近距離の走行ニーズがあり、もちろん長距離のドライブも楽しみ、スポーツ風な走行を楽しみたい方に向いているでしょう。
パサートGTEはゴルフのセダンバージョンで、パサートGTEヴァリアントはゴルフのステーションワゴンバージョン。荷物が積める量で言うと、ゴルフ<パサート<パサートヴァリアント、となります。パサートGTEのEPA航続距離はゴルフGTEと同様に32kmと推測されており、バッテリー容量は9.9kWhとなります。パサートGTEのほうがゴルフGTEより大きい分、より大きなバッテリーでも同じだけの距離しかバッテリーのみで走行できないのですね。同様に急速充電のサポートはなく、基本車通勤であり、自宅充電環境があって、休日は長距離ドライブあり、スポーツ風走行の好きな方向けということになります。
このほかに、海外では、e-Up!というBEVが発売されています。残念ながら日本ではまだ発売の予定になっていません。e-Up!のEPA航続距離は128kmと、航続距離で見るとリーフの競合車種となります。

メルセデスベンツの電気自動車

メルセデスは以前smart fortwo electric driveという2人乗りの軽快な電気自動車(BEV)を販売していましたが、今はPHEVのみのラインアップとなっています。
メルセデス S550 PLUG-IN HYBRID long
メルセデス S 550 e long
PHEVは今後いろいろな車種に搭載する予定のようですが、最初に搭載されたのはなんとS 550 e long!車両価格1638万のSクラスロングです。ロングというのは後席メインで使用する、ショーファー(運転手付き)用の車。EV走行で住宅街を静かに出発、仕事を終えた帰宅時もあくまで静かに、そして追い越しなどはモーターであくまでスムースにパワフルに、、という感じなのでしょうか。
環境を意識するエグゼクティブの方に向いていそうですね。Sクラスですから衝突安全性もばっちりです。なおこの車両も急速充電に非対応。バッテリーは8.7kWhでEPA航続距離は19.2km(!!)と、車が大きく居住性が高いだけに、帰宅時もモーター走行するためにはオフィスの駐車場にも充電器が必要そうです。
C350e AVANTGARDE
C350e AVANTGARDE
2016年1月、BMW 330eに対抗してか、C 350 e アバンギャルドが日本で発売されました。これ以降のPHEVは型番の最後にeが付くんでしょうかね?売れ筋CクラスにPHEVを投入してくるとなると、今後は全グレードにPHEVが搭載されてもおかしくないのでしょう。面白い追加機能として、アクセルを踏み込むときに、パワーが不足してエンジンが始動する直前でアクセルに抵抗感が出るとのこと。できる限りガソリンを使いたくない方には便利な機能です。バッテリーはトランク内とのことで、トランクスペースは335lと、ある程度犠牲になっているようですね。バッテリー容量は6.2kWh、EPA基準/実航続距離は16kmです。
価格的には721万円からということで、BMW 330eの579万円より高めとなりますが、PHEV的には競合車種といえるでしょう。
Mercedes-Benz GLC 350 e
Mercedes-Benz GLC 350 e
2016年9月、SUVのGLC 350 e 4MATIC Sportsが日本でも発売されました。GLCはCクラスなのでBMW X5 xDrive 40eの968万円に対し873万円と少しだけ下げられています。BMWと同様、自宅に充電環境を用意し、通勤・近隣での買い物等はバッテリーのみで走行、長距離の移動時は高性能なハイブリッド車として100%ガソリンを使う考え方の車です。急速充電は非対応。この車を選ぶ方は、最高級SUVのPHEVが欲しい方で、BMWブランドよりメルセデスブランドの好きな方となるでしょう。なお海外ではGLEのPHEVも出ています。EPA基準のEV航続距離はX5とほぼ同様、約20kmと想定できます。
メルセデスE 350 e アバンギャルド スポーツ
メルセデスE 350 e アバンギャルド スポーツ
Cクラスの上位クラス、Eクラスにも2017年8月24日、プラグインハイブリッドモデルE 350 e アバンギャルド スポーツが登場しました。この車両からEQ Powerというサブブランドが与えられていて、AMGはEQ Power+となるそうです。メルセデスの電気自動車のブランドを意味するのでしょう。このモデルは米国で販売されていないので肝心なEPA航続距離が分からないのですが、6.2kWhのバッテリーで18.6マイルのNEDC航続距離とのことですから、EPA基準では12kmくらいと推測されます。C 350 eと共に、行きはバッテリーのみで走行し、帰りは途中でエンジンがかかるような使い方になるでしょう。
またこのPHEVは2016年からEクラスに搭載開始されている最新型のDrive Pilotという運転支援システムが付いています。0-210km/h(!!)までで、ドライバーのウィンカー指示で開始する自動車線変更など、機能はほぼテスラのオートパイロットと同様。これが大きな差別化になっているので、798万円とC 350 eよりちょっと高めの価格も、Cクラスより大きいサイズと相まって当然と考えられます。

ポルシェの電気自動車

ポルシェ ミッションEコンセプト
ポルシェ ミッションEコンセプト
先日ポルシェ ミッションE コンセプトというBEVのコンセプトカーでフランクフルトモーターショー2015の話題をさらったポルシェ。実はBEVはこれが初めてで、現在市販している車両は二車種ともPHEVとなります。このコンセプトEはかなり大胆なもので、800V充電システム(既存の充電インフラにはありません)を使って15分で80%まで充電できるというもの。現在の世界の急速充電インフラは400-500V程度となっており、800Vにすると高速に充電できる、、というイメージを与えたいのだと思いますが、実際には電圧を上げても高速に充電できるわけではありません。バッテリーの充電速度はケミストリーと呼ばれる内部の化学物資によって決定されていて、200Vだろうが800Vだろうが、特に速度は変わらないのです。つまり、このコンセプトEが意味するところは、「現在はまだ実用化されていない新技術の電池の量産化を前提とした車」。なかなか強い意気込みを感じさせる発表でした。
ポルシェ パナメーラS E-ハイブリッド
ポルシェ パナメーラ4 E-ハイブリッド
現在手に入るポルシェのPHEVには、パナメーラ 4 E ハイブリッドとパナメーラ ターボ S E ハイブリッド、そしてカイエンS E-ハイブリッドがあります。パナメーラは4名乗車の大型スポーツセダン、カイエンは5名乗車の大型SUVです。あれ、どこかのラインアップと似ていますね。そうです、テスラのモデルSはパナメーラの競合、そしてモデルXはカイエンの競合車種として設計されているのだと言われています。
パナメーラは14.1kWhのバッテリーでEPA航続距離は申請中、カイエンは10.8kWhのバッテリーでEPA航続距離は22kmと、必要最低限のEV走行距離です。もともとどちらもスポーツカーですから、あまり大きなバッテリーを積むと重量バランスが難しくなり、運動性能に影響するでしょうから、バッテリーは必要最小限に留めているとも考えられます。ただパナメーラのほうは以前「パナメーラS」という車名でもPHEVを出していて、その時のバッテリー容量は9.4kWhでしたからパナメーラ4になったと同時にバッテリー容量が50%増しにもなっているわけで、モーターのスポーツ性能を強くアピールする意図があると考えられます。
この三車種とも、やはり急速充電には未対応。ポルシェが好きな方・PHEVスポーツカーが欲しい方で、通勤でのCO2等の排出をゼロにしたい方・ガソリンを使いたくない方向きの車です。なお、似たような名前の、「パナメーラSハイブリッド」や「カイエンSハイブリッド」という車も以前存在していました。これらはハイブリッド車であり、PHEVではありません。ハイブリッドモデルはディスコンになったようなので、今後はPHEVとBEVに注力するものと思われます。

アウディの電気自動車

アウディ A3 スポーツバック e-トロン
アウディ A3 スポーツバック e-トロン
2015年11月12日、初めてPHEVであるアウディ A3 スポーツバック e-トロンが発売日を迎えます。ゴルフGTEの兄弟車?とも考えられるこの車は、ゴルフGTEと同様、現時点では未公表ですが32kmのEPA航続距離を持つと推測されています。
アウディはアウディの主要車両を全プラグイン化の記事にもあるように、A3を皮切りにSUVのQ7, セダンのA6, A7, A8をすべてPHEV化するだけでなく、今後はBEVも(参考:アウディQ6?コンセプト)出すということのようです。メーカーの電動化への真剣度という意味では、電気自動車専業のテスラを除くと、アウディは一番真剣になっているように見えますね。アウディはフォルクスワーゲングループ。世界最大級の自動車メーカーですから、次世代自動車への投資は欠かせないということでしょうか。
アウディ A3 Sportback e-tronは、やはり通勤で車を使う方、そしてアウディのスポーツ性が好きな方に向いているということになると思います。

ボルボの電気自動車

XC90 T8 Twin Engine AWDプラグインハイブリッド
XC90 T8 Twin Engine AWDプラグインハイブリッド
スウェーデンの自動車会社(Geely傘下)で、安全性に最も強くコミットしていると言われるボルボも、2016年1月にXC90 T8 Twin Engine AWDプラグインハイブリッドを日本で発売しました。長い名前ですが、要するにPHEVですね。バッテリーは9.2kWh、EPA航続距離は20.8kmと短めですが、BMW X5と同じくらいの大型SUVですからある程度は仕方ありません。ちょうど1千万円くらいの価格ということで、BMW X5 xDrive 40e、テスラモデルXなどが競合になりそうです。
なおボルボは2019年よりすべての新車を電動化する、すなわちBEVとPHEVにすると発表しています。

電気自動車比較

テスラ モデルX
テスラ モデルX
ずいぶん長い記事ですね!全部でBEV・PHEV合わせてたった30車種程度しかないのに、各車両それぞれに特徴があります。そして、一般のメディアの記事はあまり電動車両に詳しくない方が書いているせいもあり(スミマセン)、肝心な情報が欠けていることも。以下にEVsmartブログ独自の比較表(貨物車は除きました)を作ってみましたのでご覧ください。
なお、米国で販売されていない車種、もしくは販売開始されて間もない車種については、EPA航続距離などのデータが公表されていませんので、予測値を記載しています。予測値は間違っているかも知れませんが、私に責任があります。メーカーからの情報を使用しているわけではありませんのでご注意ください。
2017年7月20日追記: 各車両の標準的な税込価格を表に追記しました。ほとんどがベースグレードとなり、オプション等は一切含まれない、最低の価格とお考えください。

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